“なんとなく不便”を言語化する──現状分析というDXのスタートライン

「最近、社内の業務がなんだかややこしい気がする」
「従業員からも“やりにくい”という声が出ているけれど、何が問題かよくわからない」

そんな“なんとなく不便”は、DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務改善を進めるチャンスかもしれません。そして、その第一歩となるのが「業務の現状分析」です。

この記事では、

  • なぜ現状分析が必要なのか
  • どんなステップで進めるのか
  • そこから何が得られるのか
    を整理しながら、実践のためのヒントをお届けします。

現状分析のゴールは「業務を語れる状態」にすること

業務改善やDXの出発点は、「業務がどう流れているかを正しく把握すること」です。

「うちはこういう作業を、こういう順番で、こういう役割分担でやってる」
と誰にでも説明できる状態にしておくと、

  • ITツールの導入が的確になる
  • 業務のムリ・ムダ・ムラが見えてくる
  • 改善の優先順位を判断しやすくなる

など、改善に向けた判断がしやすくなります。
現状分析のゴールは、まさにその“語れる状態”を作ることです。


ステップ1:気になる業務を一つ選んでみる

業務全体をいきなり分析しようとすると、時間も労力もかかりすぎます。
まずは、「ここがやりにくい」「手間がかかっている」と感じる業務を一つ選びましょう。

たとえば:

  • 見積書や請求書の作成が面倒
  • 手書きの記録を毎回パソコンに打ち直している
  • 毎月同じ内容の集計を手作業で行っている

こうした業務に焦点を絞って、深く掘り下げるのが現実的なスタートです。


ステップ2:業務の中身を棚卸しする

気になる業務を選んだら、次の観点で内容を棚卸ししていきます。

  • 誰がやっているか(担当者、部署)
  • どこから依頼・情報が来て、どこに渡すか(前後の関係)
  • どういう手順で処理しているか(作業の流れ)
  • どんな資料やツールを使っているか(紙/Excel/チャットなど)
  • 何が負担になっているか(手間・時間・ミス・確認の多さ など)

ここで重要なのは、「理想」や「あるべき姿」ではなく、今やっていることをそのまま記録すること
「こうあるべき」ではなく「実際こうなっている」を書き出しましょう。


ステップ3:業務フロー図に落とし込んで“見える化”する

現状を把握するうえで、強力な武器になるのが「業務フロー図」です。
頭の中でぼんやりしていた業務の流れを視覚的に整理できます。

業務フロー図とは、業務の流れを左から右へ時系列順に並べていく図で、各作業を箱やセルに分けて記載していきます。Excelのような表形式で作るのが一般的で、

  • 横軸:業務の流れ(依頼→作業→報告 など)
  • 縦軸:担当者・部署ごとの行動

という形式にすることで、誰がどこで関わっているかが明確になります。

例:

担当者作業1作業2作業3
Aさん情報入力チェック・修正-
Bさん--集計

これだけで、作業の重複・属人化・ボトルネックなどが“見える化”され、改善ポイントが浮き彫りになります。

※詳しい作り方やテンプレートは、別記事「業務フロー図の作り方ガイド」でご紹介しています。


ステップ4:改善のヒントを洗い出す

業務フロー図ができたら、次の観点で見直してみましょう。

  • 無駄な手作業や重複はないか?
  • データが一度紙に戻っていないか?
  • 特定の人にしかできない作業が多くないか?
  • システム化や自動化ができそうな工程はないか?

このステップでは、「完璧な改善策を見つけよう」としなくて大丈夫です。
まずは“改善の種”を見つけることが目的です。


得られるもの:改善の優先順位と納得感のある判断材料

現状分析を通じて得られるものは、「納得感のある改善の方向性」です。

  • どこにどれだけの手間がかかっているか
  • 誰に負荷が集中しているか
  • どこまでをシステム化すべきか
  • どんな工夫なら現場がついてこられるか

これらが具体的に見えてくると、IT導入や仕組み化の判断も現実的になります。


まとめ:小さく始めて、確実に進めるために

業務の現状分析は、DXや業務改善のための“地ならし”です。
分析の対象は、業務全体でなくても構いません。まずは身近な業務、気になる業務から始めてOKです。

そして重要なのは、「気になる業務」であっても、感覚だけで進めず、しっかりと業務内容を見える化し、分析すること。
その積み重ねが、最終的に組織全体の業務改善につながっていきます。


私たちは、こうした業務の整理・棚卸しからサポートしています。
「まずは話を聞いてみたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。

現状分析、お気軽にご相談ください(30分無料)

お問い合わせ

まずはお気軽にご相談ください。
お客様の業務内容やお困りごとを丁寧にヒアリングし、最適な方法を一緒に考えます。

▶ ちょっとしたご質問・ご相談も歓迎です

「まだ依頼を決めたわけじゃないけど…」という段階からでもOKです。
サービスの詳細、進め方、料金の目安など、気になる点があればお気軽にご連絡ください。

※すぐに打ち合わせをご希望の方は、[無料相談]からのご予約も可能です。

▶ 今なら初回30分の無料相談を実施中!

中小企業の業務改善・IT導入・教育に関するご相談を、初回30分無料で承っております。
ご希望の日時は、以下のカレンダー(TimeRex)より空いている時間帯をお選びいただき、オンライン相談の予約が完了します。

対応形式:オンライン(Google Meet)
対応時間:年中 9:00〜21:00(予約制・応相談)
費用:無料(30分)

具体的な課題が決まっていなくても問題ありません。
まずはお気軽に現状をお聞かせください。