システム導入失敗の本当の原因：自社の“要求”を把握しないまま進めていませんか？
digisapo
「業務を効率化したくてシステムを導入したのに、現場では使われない」
「ベンダーの提案通りに導入したのに、結局Excel運用に戻ってしまった」
こうした声は、今や特別なものではありません。
多くの中小企業が、「せっかく導入したのに成果が出ない」というジレンマに直面しています。
ではなぜ、これほど多くの導入プロジェクトがうまくいかないのでしょうか？
その根本原因は、意外にも単純です。
**「自社の“求めていること”が整理されないまま、進めてしまっている」**のです。
システム開発は「開発」から始まらない
システム開発と聞くと、プログラマーやエンジニアが手を動かし始めるところからイメージしがちです。
しかし実際には、開発の成否はその“ずっと前”に決まっています。
それは、あなたの会社が「何を求めているのか」をきちんと把握できているかどうかです。
ここを曖昧にしたまま進めてしまうと、ベンダーとのすれ違いや「思っていたのと違う」という事態を招きます。
なぜなら、ベンダーはあなたの会社の業務を知っているわけではないからです。
「何を求めているのか」は自分たちで言葉にしないと伝わらない
「どういう仕組みが必要かは、業者が考えてくれるもの」
そんなふうに思っていませんか？
たしかに、経験豊富なITベンダーであれば、ヒアリングや提案を通じて形にしてくれる部分もあります。
けれど、「そもそも何に困っていて、どう変わりたいのか」までは、あなたの会社自身でしか言葉にできません。
この「言葉にしないまま」任せてしまうと、次のような問題が起こります。
- 提案された内容が現場の実情とずれている
- 細かい認識の違いから、調整が増えてコストも膨らむ
- 導入後、「思っていたのと違う」と社内が混乱する
こうした失敗の多くは、技術や機能の問題ではなく、最初に“何を求めているのか”を自分たちで明確にできていなかったことが原因です。
外部の専門家に助けてもらうことはもちろん大切です。
でもその前に、自分たちが何を望んでいるのかを最低限、自分たちの言葉で話せる状態にしておくことが、成功への第一歩です。
システム導入は「自社プロジェクト」 当事者はあなた
システム導入をうまく進めるには、あなた自身が“当事者”としてプロジェクトに関わる姿勢が必要です。
このプロジェクトは、「業者にやってもらう作業」ではありません。
会社の未来を、自分たちで考え抜くプロジェクトなのです。
そのためには、以下のような準備が不可欠です。
- 現場で何が起きているかを整理する
- 本当に困っていることを、社内で共有する
- どう変えたいか、どんな未来を目指したいのかを明文化する
こうした情報がなければ、ベンダーは「なんとなく便利そうなもの」を提案するしかありません。
それは、外れた処方箋で病気を治そうとするようなものです。
いま、あなたの会社に問いかけたいこと
少し厳しい言い方になりますが、これはすべて他人事ではありません。
●「今どこに課題があるのか」、現場と話し合えていますか？
書類作業が多い、情報が属人化している、確認に手間がかかる——
それらを感覚で済ませず、言葉にして共有できているでしょうか？
●「どう変わってほしいのか」を、誰かに伝えられる状態ですか？
「業務を効率化したい」では抽象的すぎます。
「営業日報を紙からスマホ入力に変えたい」
「顧客とのやり取り履歴をチーム全体で見えるようにしたい」
こうした具体性が、初めてシステム選定の“軸”になります。
● そして、それを“他人に伝えられる言葉”にできていますか？
ベンダーはあなたの業務を知りません。
何も伝えなければ、ベストな提案は出てこないのです。
導入の出発点は「社内の対話」から
システム導入の成否は、ベンダー選びや機能の多さではなく、「社内での整理と対話」ができているかどうかで決まります。
中小企業デジタルサポート合同会社では、ツールありきではなく、
「今の業務をどう変えたいか」から一緒に考える支援をしています。
「モヤモヤしているけど、何が必要かはまだはっきりしていない」
そんな状態でも大丈夫です。
最初の段階から整理し、言葉にしていくところから、お手伝いします。
どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ：導入の成否は、自社がどれだけ向き合えるかで決まる
どんなに高機能なシステムも、「何を解決したいのか」がはっきりしていなければ、成果は出ません。
その中身は、誰かに用意してもらうものではありません。
あなたの会社が、自分たちで言葉にする必要があるのです。
システム導入を「外注する作業」と捉えるのか、
「自社の未来を創るプロジェクト」と捉えるのか。その意識の違いが、導入の成否を大きく分けます。
今からでも遅くありません。
まずは、自社の“求めていること”を、言葉にするところから始めてみませんか？
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